【あやんせが行くVol.6】VRから人工知能まで2016年スマホ関連テックニュース10選!

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株式会社Zucksにて広告営業ガールをしている“あやんせ”が、アプリディベロッパーを訪ねるコーナー「あやんせが行く!」。

第6回目となる今回は、2016年のスマホ関連HOTニュース10選を伺いに、東京・渋谷にあるIT企業であるVOYAGE GROUP の清貴幸さんを訪ねました。専門のVRから人工知能に至るまで幅広いお話の中から、厳選に厳選を重ねた10のニュースは、順位付けができないくらいどれも重要と清さん。

そして最後に、テクノロジーに関連したトレンドを事前に把握できる方法も教えていただきました。果たしてその方法とは?

今回お話を伺った人

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清 貴幸(せい たかゆき)神奈川県川崎市出身。2013年に、新卒エンジニアとして株式会社VOYAGE GROUPへ入社。AndroidとiOS向けスマートフォンアプリケーション開発に携わる。VRの世界に可能性を感じ、VR領域の事業を進める「VR研究室」をVOYAGE GROUPにて立ち上げた。Twitterアカウントは、@DayBySay

【01】AMPでスマホウェブ表示高速化。各社対応へ

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— 2016年のスマホ関連HOTニュースの1つめはどんなニュースですか?

清:AMP(Accelerated Mobile Pages)ですね。スマホでのウェブページ表示速度が高速化されました。2016年の数あるニュースの中でも、特筆すべきことでした。

— そんなに表示スピードが変わるんですか?

清:すごく速いです。ユーザー体験がすごく良くなるので、AMP対応のウェブメディアはGoogleの検索で高い順位で表示されてもいますね。つまり、ユーザーにとっても、メディアにとってもメリットのある大きな変革になりました。

— Zucksでも、AMPに対応した広告タグを作った背景はそこにあります。これから楽しみです!

【02】AlphaGOで人工知能に注目が集まる

— 次の注目ニュースはなんですか?

清:Googleの人工知能にまつわるニュースです。Google系の人工知能開発企業Google DeepMindが作ったAlphaGOを巡るニュースは、一般のテレビや新聞でも話題となりました。AlphaGOは、ディープラーニングという技術を用いた囲碁をプレイする人工知能。韓国のイ・セドルさんという世界でも屈指の強さを誇る囲碁棋士にAlphaGOは勝ちました。

— 確かに大騒ぎでしたね。囲碁でも人間を打ち負かした人工知能が今後どう活用されるのかが気になります。

清:これからAIは、アプリディベロッパーも活用していくことになると思います。

— もう使えるようになっているのですか?

清:すでにiOSとAndroid両方に向けてライブラリが出ていて、開発者は人工知能を簡単に使えたりするようになっています。TensorFlowという人工知能のライブラリをGoogleが公開したんです。このライブラリを利用して、インプットから何かを学習してアウトプットを行うのが比較的簡単になりました。

また、IBMの虎の子であるWatsonを利用できるIBM Bluemixにも注目しています。画像や音声の解析機能を利用したり、Watson自身に学習をさせることで、例えばカスタマーサポートの通話を全てWatsonが対応するような仕組みを作ることが出来ます。

2015年あたりから、今までクライアント側のエンジニアだった人でもこれらのライブラリを利用して人工知能を触れる形になってきているので、注目度は高いと思います。

— そのライブラリを用いたアプリが今後増えるのが楽しみです!

【03】人工知能と音声認識活用のiOS 10が登場

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清:ディベロッパーとしては、iPhone 7 Plus と同時に登場したiOS10もやはり注目ニュースに入ります。具体的なポイントとしては、Messengerや写真アプリでカテゴライズを自動でやってくれるようになったことは、ユーザーとしては大きな進化でした。

— 顔を認識してくれるんですよね!

清:あれはまさに人工知能です。ディープラーニング(deep learning 深層学習。機械学習の1種)の技術を使っていて、写真に写っているものへAppleの技術でカテゴリーを付けてくれるようになりました。

— 開発者にとってのiOS 10はどうですか?

清:開発者的には新しい機能をたくさん使えるようになった点は注目度が高いですね。例えば、音声認識。Siriの裏側で使われている音声認識の技術をディベロッパーも使えるようになりました。

音声の解析・内容の抽出を行ったあと「この話題を話しています」という内容を、普通のディベロッパーが使えるようになったんです。この音声認識を用いて、より面白いアプリが作られていくかもしれないですね。

— 音声認識のSiriを使ったアプリってどういうのができるのでしょう?

清:ディベロッパーが作ったアプリがSiriからのメッセージを受けとって、何かしらのアクションを返すことができるようになったので、例えばSiriからUberのアプリでタクシーを呼べます。

— スゴイ連携ぶり!

清:連携という意味では、地図アプリからUberが直接使えたりするなど、音声認識以外の面でもより連携がシームレスになりました。昔は、アプリそれぞれが独立していたのが、iOS8のウィジェットが出た辺りからアプリ間の連携がしやすくなってきています。Appleが作ったアプリと、他のディベロッパーが作ったアプリとの連携がより強くなったのも、iOS10の大きな特徴ですね。

新しい機能をアプリに用いると、嬉しいメリットもあるので、こうした音声認識やアプリ間の連携を活用したアプリは、今後ますます増えると思います。

— どういうことですか?

清:例えば、音声認識やアプリ間の連携を強化すると、App Storeのトップ画面に載りやすくなるといったメリットです。Appleにも売り出したい機能があります。Appleオススメの機能に対応すると、このような優遇が受けやすくなります。

【04】Apple Payが日本でも利用可能となる


AppleによるApple Pay紹介ムービー

— 4つめの注目ニュースは何ですか?

清:4つめもApple関連のニュースです。日本でApple Payが使えるようになったことですね。

— すごく使っています〜!Apple Payで生活は大きく変わりました!

清:ちなみに海外のApple Payに対応しているiPhoneは、日本国内ではApple Payが使えないらしいです。なぜなら、FeliCaは日本独自の規格だからです。海外の旅行者などが国内でApple Payを使いたいなら、日本国内向けの端末を用意する必要があり、ちょっと不便な感じはありますね。

— 海外でiPhoneを買ってしまうと、国内でApple Payは使えないんですね(泣)。でもSuicaが使えるのはユーザーとしては嬉しいです。開発者にとってはApple Payはどうなのですか?

清:開発者向けにApple PayのAPIがあります。現在、このAPIを使った開発もできるようになっています。PassKitというフレームワークがApple Pay関連の機能を司っており、iOS10.1でSuica関連の情報が追加されました。2016年11月現在、Suicaを扱えるアプリは出て無さそうです。ですが、PassKitを用いて、自分で開発したアプリでSuicaを利用した支払いが今後出来るようになるかもしれませんね。

【05】検索連動広告Search AdsがApp Storeに登場

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— Apple Payに続いて大きいニュースはなんですか?

清:ディベロッパーへの影響から考えると、App Storeに検索連動型広告「Search Ads」が登場したことも見逃せません。今はまだ日本ではできていないんですが、アメリカでは2016年10月5日から始まっています。今までApp Store内へは広告出稿ができなかったのが今後は、ディベロッパー自らがApp Storeへ広告出稿を簡単にできるんですよ。

— Facebookみたいになるってことですよね?

清:そうですね。Facebook広告に似ています。広告出稿の簡単さだけではなく、セカンドプライスオークションといって、特定の検索キーワードに対して買い付けを行えるんです。このオークション形式というのがポイントです。

たとえば、100円・50円・30円で入札がなされたら、100円で入札した人が51円で広告枠を購入できる仕組みになっています。だから法外な値段にはならない点がいいです。さらにアルゴリズムもよくできているのもいいですね。

— どういうアルゴリズムですか?

清:スポーツ系アプリと勉強系アプリがあるとします。両方のアプリディベロッパーがスポーツ系のキーワードを入札したとしたら、勉強系のアプリが高い価格で入札しても、スポーツ系アプリがきちんと優先されるということになっています。このあたりはアプリのタイトルやデスクリプションなどのメタデータが影響するようです。(参考:http://searchads.apple.com/

— 検索キーワードと関係ないアプリが表示されにくいようにしているわけですね。

清:お金のある会社が、高い料金で出稿したとしても検索連動広告が荒らされるということが起きないので、個人開発者としては嬉しいアルゴリズムです。

— この仕組みがあれば少額からでも広告がうてる点も、個人のディベロッパーには嬉しいかも!

清:そうですね。日本でもSearch Adsが使えるようになる日が来るのが楽しみですね。

【06】iPhone 7 Plus でポートレートモードが利用可能に

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— 6つめの注目ニュースも、Apple関連ですか?

清:見抜かれてますね(笑)。2016年9月に発売されたiPhone 7 Plusのポートレートモードを取り上げます。iPhone 7 Plusには、遠くを撮るレンズと近くを撮るレンズが搭載されています。この2つのレンズを利用して、被写体だけにフォーカスして他の部分はぼかすといった撮り方ができるんです。これが、iPhone 7 Plusのポートレートモードというものです。

— 一眼レフカメラみたいに撮れるんですね!

清:そうです。これは2つのカメラの組合せとソフトウェア処理で実現しています。この機能のおかげで、携帯でもかなりオシャレな写真が簡単に撮れるようになりました。ポートレートモードは革新的だと思うので、買うならiPhone7よりもiPhone 7 plusが絶対におすすめです。

— ソフトウェア処理も組合せているということは何か制限があったりしますか?

清:ソフトウェアで処理しているので、明るさが足りないと上手く機能しないですね。透明なものや白っぽい被写体が光と判定されてしまって、ソフトウェアが被写体をぼかしてしまうという欠点もあります。

具体例を挙げると、スタバでフラペチーノを買って良い感じの写真を撮ろうとした時に、ストローが透明だとぼやけちゃうんです(笑)。ただこうした欠点も、ソフトウェアで処理が行われているので今後のアップデートで解消されるでしょう。

【07】Android Nougat(ヌガー)登場

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清:次はAndroidの話を。2016年のAndroid関連で大きなニュースは、Android Nougat(ヌガー)=Android7.0の登場です。

— 今までAndroidのソフトウェアバージョンには、お菓子の名前が付いていましたよね。例えば、Android 1.6がDonut(ドーナツ)、Android 2.0はEclair(エクレア)だったり。ヌガーも同じようにお菓子の名前ですか?

清:そうですね。ヌガーはソフトキャンディの一種です。Android Nougatでは見た目が結構変わりました。特に、通知領域が変わっています。

ただ、私が個人的に一番すごいと思ったのは、Android Nougat で登場したDaydreamです。Daydreamは、Googleが作っているVR(Virtual Reality 仮想現実)のプラットフォームで、これも今年のトップ10に入るビッグニュースですね。

— Daydreamについて、詳しく教えてください!

【08】Daydream・Gear VRが登場


清:VRのプラットフォームであるDaydreamにGoogle Pixelが対応しています。「Google Pixel」は、アメリカなど5カ国で10月20日に発売された新型スマートフォンです。日本での発売は、2017年2月と言われています。

— Google Pixel楽しみですね!でも、DaydreamがGoogle Pixelでしか楽しめないのは残念です…。

清:Google Pixel以外にも、今後発売されるDaydream対応スマートフォンとヘッドマウントディスプレイを組み合せれば、DaydreamのVRコンテンツを体験することができます。

ヘッドマウントディスプレイとしてはGoogleが販売しているDaydream Viewがあります。2016年11月10日にアメリカなど5カ国で発売されています。日本での発売日はまだ未発表です。これでも早く入ってきてほしいですね(笑)。

— スマホのGoogle Pixel とヘッドマウントディスプレイのDaydream Viewを使うとVRが体験できるんですね?

清:そうです。価格は、Google Pixelが650ドル(約73,000円)、Daydream Viewが79ドル(約8,900円)くらいです。

— た、高い(泣)。どういう使い方になるんですか?

清:VRコンテンツのプラットフォームであるDaydreamから、VRコンテンツをGoogle Pixelにダウンロードします。あとは、ヘッドマウントディスプレイのDaydream Viewを付ければ、VRコンテンツを体験できるんですよ。

— VRのこと、もっと伺いたいです〜! でも今日は、2016年アプリ関連テックニュース10選なので別の機会をもうけさせてください。

清:わ、わかりました(笑)。

とても気になる内容のVR。近日中に、VRについてガッツリ伺った記事を公開します。どうぞお楽しみに!

【09】Microsoft HoloLens 発売で仮想現実(AR)がいよいよ流行りそう


— VRに続く、2016年のアプリ関連技術ニュースはなんでしょう?

清:拡張現実(AR)用のヘッドマウントディスプレイMicrosoft HoloLensが2016年8月に発売されたことです。ARで一番すごいと言われているのがHoloLens。2016年12月2日から、日本でも予約受け付けが始まりました。

— ARとは何ですか?

清:VRとは違って、目の前に広がる現実世界に一枚レイヤーを作って、そのレイヤーに物を置いたりできるのがARです。最近で言えば「PokemonGO」がARと言われるものです。VRとは違って、現実とシームレスにつながっていて、ヘッドマウントディスプレイ越しでも外がそのまま見えます。

— 視界全部に仮想の世界を表示するVRとはそこが違うのですね。

清:そうです。例えば、目の前にある現実の壁からモンスターの巣が現れて、モンスターが巣から出てくるといったことが実現できるんです。

— わくわくします!今後、どういう活用がされるんでしょうか?

清:JALの整備士が機体整備訓練をする際にHoloLensが使われているそうですよ。今後ARの活用が様々な分野で進みそうです。

【10】PokemonGoが社会現象に

— 2016年といえば、やっぱりPokemonGoは外せないのではないでしょうか?PokemonGOは歴史に残るくらいのインパクトがありましたよね。

清:PokemonGOを作っているNiantic(ナイアンティック)社がすごいんです。PokemonGOに登場するポケストップ(モンスターボールや回復アイテムが入手できる)は、位置情報ゲームであるIngressの「ポータル」(経験値などを得られる)と似ています。

特定の場所で、アイテムを手に入れたりするゲームというのは、昔から考えられていました。Nianticが素晴らしいのは、そのポケストップやポータルを集客手段としてビジネスに組み込んだことです。

— わたしの周りもみんなやってましたぁ〜(笑)。

清:PokemonGOと宮城県がコラボしたイベントExplore Miyagiの開催に合わせて、岩手県の石巻市でラプラスが出て多くの人が集まっているというニュースが話題になりましたね。これはアプリが世界に衝撃を与えた社会現象と呼べるでしょう。スマホの枠を超えたビッグニュースです。

まとめ

— ありがとうございます!今日は面白い話がたくさん聞けました。

清:最後に技術系でもうひとつ面白いものがあります。それはハイプ・サイクルというものがあります。5つの過程をへて技術が生活の中に入っていく、という考え方です。

【1・黎明期】新しい技術が出てきて
【2・過剰な期待のピーク期】リリース時は注目されて
【3・幻滅期】一回落ちます
【4・啓蒙活動期】でも実は裏側では必要とされていて、安定期になって
【5・生産性の安定期】最終的には生活に入っていくという

このハイプ・サイクルを見ると、「この技術は今この辺にいるんだ」「この技術はそろそろ実用化されるだろう」というのがわかります。つまり、ディベロッパーが備えておくべきトレンドを把握できるんですよ。

— これは面白いですね!ハイプ・サイクルをわたしもチェックしてみます。本日は、ありがとうございました。すごく勉強になりました。次回は、VRに関して詳しくお話を聞かせてください〜!

あやんせ渋谷で働くIT女子。メディアコンサルタントとしてディベロッパーさんのお力になれるよう日々奔走中。クリスマス間近でも海が好き。

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