2016年の急成長アプリから分析する!アプリをグロースさせる3つのポイント

アプリディベロッパーの方々は、日々アプリをヒットさせるために試行錯誤を重ねているはず。しかし、アプリの内容はもちろん、広告の運用やSNSなどを使ったプロモーションなど、施作を重ねてもヒットするかどうか読み切れないのがアプリマーケティングです。

今回は、アプリをグロースさせるヒントとして、「App Ape Award 2016 授賞式(主催:フラー株式会社)」の中で行われたパネルディスカッション「大型新人に聞く、2016年のサクセスストーリー」で登壇した、
・無料マンガアプリ「GANMA!(ガンマ)」
・お買い物を助けるチラシアプリ「トクバイ」
・無料料理動画配信アプリ「KURASHIRU[クラシル]」

の3つのアプリから、ヒットの要因を探っていきたいと思います。
 

累計500万DLのアプリも!2016年に急成長した3つのアプリとは?

「App Ape Award 2016 授賞式」は2月14日(火)に開催され、2016年間におけるMAU(月間利用者数)の成長率をもとに合計100タイトルのアプリがノミネートされました。

受賞したアプリは、「AbemaTV」(株式会社AbemaTV)、「メルカリ」(株式会社メルカリ)、「実況パワフルサッカー」「実況パワフルプロ野球」(株式会社コナミデジタルエンタテインメント)「キャンディークラッシュゼリー」(King Japan株式会社)など大手企業のアプリが目立った印象。

冒頭でご紹介したセッション「大型新人に聞く、2016年のサクセスストーリー」に登壇した「GANMA!」「トクバイ」「KURASHIRU[クラシル]」3つのアプリは、それぞれ2016年に、以下のようにDL数やユーザー数を大きく伸ばしています。

・GANMA!–累計500万DL
・トクバイ–ユーザー数600万人越え
・KURASHIRU[クラシル]–月間1億2千万回以上の動画再生(SNSも含む)

まずはそれぞれのアプリがどのような背景から生まれたのか、リリース年やマネタイズ方法をご紹介します。

GANMA!(ガンマ)



■GANMA! – マンガが全話無料で制限ナシのマンガアプリ
開発元:コミックスマート株式会社
 
 
 
 


GANMA!は、株式会社セプテーニ・ホールディングスの連結子会社コミックスマートが運営しているマンガアプリ。

2013年12月12日にサービスを開始し、2017年2月現在、両OSで500万以上のDLを記録しています。

マンガは無料公開で、マネタイズは主に広告収益で行っています(プレミアム会員もあり月額300円から)。

「マンガ家を、子供達の憧れの職業にしたい。」というミッションのもと、マンガ家の育成・支援を事業の目的のひとつとしており、アニメ化、舞台化のプロデュースなど、マンガ家プロダクション的な動きもしています。

運営は40名弱のメンバーで行っているそうです。

トクバイ



■トクバイ – チラシアプリ/スーパーの特売情報で節約 –
開発元:株式会社トクバイ
 
 
 
 


トクバイはチラシをスマホで見れるアプリで、「株式会社トクバイ」が運営しています。

このWebサービスの前身となったのは、2013年にはじまった「クックパッド特売情報」。このサービスは新聞と折り込みチラシの部数が低下している中、チラシをスマホへ掲載すれば良いのでは、というアイデアから生まれました。

2017年2月現在でユーザー数はのべ600万人。イオンやライフの大手チェーンのほか、イケアなどのチェーン、商店街の八百屋や魚屋などの個人商店など、全国の26000を超える店舗がチラシを掲載しています。

サービスを利用している店舗は、店頭でスマホで写真を撮って情報を載せられたり、ユーザーに直接クーポン配信が可能など消費者へダイレクトにコミュニケーションをとれることが特徴です。

マネタイズは店舗からのサービス利用料を集める形で、ユーザーは無料でアプリを利用できます。

運営メンバーはスタート時の3名から40名ほどに増えているそうです。
 

KURASHIRU[クラシル]



■料理のレシピを動画でわかりやすく!無料の料理動画アプリ – KURASHIRU [クラシル]
開発元:dely株式会社
 
 
 
 


KURASHIRU[クラシル]はdely株式会社が運営する料理動画配信アプリで、2016年1月からリリースされました。アプリでは1分程度のレシピ動画が公開されていて、国内で月間1億回2千万以上の再生(SNSも含む)を達成。

月間1000動画程度アップされる動画はすべて自社で作成していて、ユーザーは合計5000本以上の動画を見ることができます。

マネタイズは、広告掲載のほか、KIRINやヤマサなどの食品メーカーとのプロモーションタイアップを中心に、一部プレミアム会員として月額480円のユーザー課金も行っています。

運営メンバーはスタート時の6名から70名へと一気に成長しているそうです。

グロースするアプリの3つの共通点

これら2016年にシェアを大きく伸ばした3つのアプリには、共通点がありました。それは……。

・外的要因とユーザーニーズのリンク
・わかりやすく、心を打つミッション
・明確な事業ビジョン

アプリを大きく成長させる原動力になった共通点とはどのようなものなのでしょうか?

① 外的要因とユーザーニーズのリンク

1つ目の共通点は、外的要因とユーザーニーズのリンク。3つのサービスにはそれぞれ、環境の変化とユーザーの要求をとらえたコンセプトがありました。

・GANMA!
雑誌の発行部数減少+スマホの普及 × 「スマホでマンガを読みたい」というニーズ

・トクバイ
新聞紙の発行部数減少+スマホの普及 × 「販売促進をしたい」お店側と「おトクなものを買いたい」ユーザー側のニーズ

・KURASHIRU[クラシル] スマホと動画コンテンツの普及 × 「わかりやすいレシピを知りたい」というニーズ

言い換えると、「新しい技術やマーケット状況などの外的要因」×「ユーザーがやりたいこと・望んでいること」という掛け算からサービスのコンセプトが生まれています。

新しい技術やマーケット状況などの「外的要因」を取り込み、「ユーザーがやりたいこと・望んでいること」と組み合わせれば、アプリのヒット率も高くなるはずです。

② わかりやすく、心を打つミッション

2つ目は、「ユーザーにわかりやすく、心を打つミッション」があること。

・GANMA!
“マンガ家を、子供達の憧れの職業にしたい。”

・トクバイ
“年間700回全ての買い物を楽しくするメディア”
※日本でひとりの人が1年に買い物する数は平均700回

・KURASHIRU[クラシル] “70億人に1日3回の幸せを届ける”
※70億人は世界人口。1日3回とは朝昼晩の食事のこと

Webサービスやアプリは名前だけが世に広まってしまい、「あのアプリって有名だけど、どんな内容なの?」と思われることもあるでしょう。

そんな時にわかりやすく、心を打つ言葉があれば、「私もアプリやサービスを利用してみたい」と思う人も増えるはず。3つのサービスが2016年に大きく波及したことと、具体的なミッションがあったことは無関係ではないでしょう。

このTipsは、カジュアルゲームやツールアプリにも応用できます。
アプリの特徴やコンセプトをズバン!と言い表す言葉があれば、DL数の増加に一役買ってくれるはずです。

③ 明確な事業ビジョン

3つ目の共通点は、明確な事業ビジョンがあること。

・GANMA!
今後1000万DLを目指し、マンガ家・読者・クライアントの三方良しが実現できるプラットフォームを目指す。

・トクバイ
実店舗で起きているリアルタイムの情報をまとめ、日本中のすべての人が「毎日の買い物を楽しむためにトクバイを見る」サービスを目指す。

・KURASHIRU[クラシル] 1000億規模の売り上げを目標に、「料理動画サービス」の国内トップを目指す。

大きくグロースするサービスやアプリを生み出すためには、ユーザーや共に働く社員、クライアントなど様々な人の協力が欠かせません。

人を動かすためには目標が不可欠です。先ほどご紹介した「わかりやすく心を打つミッション」という長期的な目標のほかに、事業ビジョンという短期的な目標も必要でしょう。

たとえ大きな企業でなくても、「1万DLを目指す!」「月刊収益30万円」などの目標を立てれば開発のモチベーションも上がるはずです。
 

グロースするアプリは、「ひらめき×ロジカル×試行錯誤」の産物?

今回ご紹介した3つの共通点は、比較的、アプリの開発当初に役立つものでした。3つのアプリもスタート時に明確な方向性を定めたからこそ、今の成功があるのでしょう。

とはいえ、アプリをグロースさせるにはひらめきや偶然性が必要なこともあります。

たとえば、今回ご紹介した料理動画アプリ「KURASHIRU[クラシル]」を運営しているdely株式会社は、実は前事業だったフードデリバリー事業を撤退しています。「KURASHIRU[クラシル]」は、代表の堀江氏が次の事業を模索する中で「海外動画が流行しているから」と料理動画を撮影したことで生まれました。

その後、堀江氏は料理動画だけでなく、ありとあらゆるジャンルの動画を作成してマーケットの反応を見たと言います。

GANMA!もスタート時には、サービス紹介ページを1ページだけ作って地道にマンガ家をスカウトしたり、トクバイも小さな商店の商品掲載からスタートしたそうです。

アプリをグロースさせるためには、ひらめきやアイデアに、ロジカルな戦略を組み合わせ、泥臭い試行錯誤を掛け合わせが必要なのでしょう。次のヒットアプリを生み出し、人々の暮らしを楽しく、豊かにするのはもしかしたらあなたかもしれません!