
「最も流行に敏感な女子高生はスマートフォンをどのように使っているのか」
「女子高生の間では、どんなアプリが流行っているのか」
アプリを開発するデベロッパーの皆さんにとって、トレンドを作る女子高生の動向や志向は気になるところ。そこで原宿&表参道の街頭でリサーチを敢行!女子高生37人に、3つの質問をぶつけてみました。
【Q1】スマホのホーム画面を見せてください!
【Q2】最近(3カ月以内に)インストールしたアプリを教えて!
【Q3】今、一番使っているアプリは?
スマホアプリを通して、女子高生のリアルに迫ります!
【Q1】スマホのホーム画面を見せてください!
生粋のデジタル・ネイティブである女子高校生。毎日、何度も何度も眺めるであろうホーム画面を女子高生はどのようにデザインしているのでしょうか?一番目立つ場所をキープしているアプリが気になりますね。さっそくチェックしてみましょう!
千春さん(17歳・神奈川県)のホーム画面
ホーム画面の最下部のドックは「電話」「Twitter」「LINE」のみのミニマムな構成。カメラアプリSNOWと映像共有アプリVine以外はフォルダに入れず、素のまま利用している。理由は「よく使うから」。壁紙には現在人気急上昇の女優・小松菜奈。他にも3名の人が小松菜奈を壁紙にしていました。
佑唯さん(16歳・東京都)のホーム画面
「かわいい壁紙が見えるように、アイコンはおかない」という川崎さん。アイコンは全てフォルダに入れて整頓され、ご覧の通りホーム画面はスッキリ。“壁紙がよく見えるようにフォルダを最大限に利用する”という傾向は、他の多くの女子高生にも見られました。
もあさん(18歳・千葉県)のホーム画面
「シンプルで見やすい。絶対使うアプリのみ!」ということで、なんと、最下部のドッグにさえも何も入れていない中川さん。「まず一番使うアプリをドックに入れよう」という発想からは生まれないレイアウトです。
しかし、実際に厳選されたホーム画面を見ているとこういうのもアリかもと思わせる説得力がありますね。
Momoさん(15歳・神奈川県)のホーム画面
一見するとデフォルトに近い構成ですが、よく見ると細かなカスタマイズが!「色をそろえてアイコン並べてます〜!」というMomoさん。確かに近い色のアイコンが隣り合っていますね。
ともみんさん(17歳・千葉県)のホーム画面
一見Androidのデフォルト画面に見えますが、よく見るとカメラアプリが1つのフォルダにスタックされていたり、利用率の高いものが効率よく配置されてます。この並びの理由は、1番めに登場の渡辺さんと同じく「よく使うアプリの順番」とのこと。
【注目ホーム画面・1】全部フォルダ&色別だよ〜♪
千葉県の根本梨乃さん(16歳)はさらに突き進んでいます。うえのホーム画面は「アイコンの色で分けてフォルダに入れてます」とのこと。アプリを全部色別にフォルダに入れて、さらにフォルダ名までフォルダ内の色に合わせた絵文字にするというアイデア。
根本さんによると学校の友だちの間で流行ってる方法とのこと。アイコンの色合いと絵文字の色合いを合わせるという細かなこだわりが女子高生らしいですね。
【注目ホーム画面・2】ホーム画面にアイコンを置かない派!?
東京都のちょむさん(15歳)は、「設定」「写真」「てきとー」「SNS」の4つフォルダを作成。全てのアプリはこのフォルダに振り分け、さらにフォルダはドックに配置するというアイデアもユニークですが、それよりも注目すべきはホーム画面にアイコンもフォルダもないこと。
「ホーム画面はお気に入りの写真を表示する場所なんです」というこだわりを表現したレイアウトです。このスタイルは、今回ヒアリングをした中でもっとも印象的でした。
今どき女子高生のスマホホーム画面の傾向
全体を通してAndroidを利用している人もウィジェットの利用は少なく、アプリとフォルダを中心にデザインされているのが特徴でした。
女子高生に人気のカメラアプリは大量にあるためフォルダにスタックするのが基本。また、通常のアイコンだけではなく、フォルダに入った状態で認識しやすいアイコンデザインにすることもDAU(1日に利用したユーザー数)を向上させる際に重要といえそうです。
ほとんどデフォルトのままホーム画面を利用しているケースでも、ドックは必ずカスタマイズされています。ドックを占めているのはブラウザ、LINEなどメッセージやSNS系、音楽系が圧倒的でした。
続いては、最近インストールしたアプリと、一番使っているアプリについて女子高生の皆さんに聞いてみました。
【Q2】最近(3カ月以内に)インストールしたアプリを教えて!

【Q3】今、一番使っているアプリは?

原宿と表参道の女子高生に聞いた質問の2つ目と3つ目は「最近インストールしたアプリ」「今、一番使っているアプリ」について。女子高生の直近トレンドをとらえます。
ここでは、これら2つの質問で上位に登場した5つのアプリが女子高生のココロをどうやってつかんでいるのかを見てみます。
カメラアプリ「SNOW」
写真や映像の共有アプリ「Instagram」
ファッションSNSアプリ「WEAR」
フリマアプリ「メルカリ」
ネットテレビアプリ「AbemaTV」
また、これら5つのアプリに加えて「気になる声」として、リズムゲームアプリ「ラブライブ」と画像加工アプリ「PicsArt」に夢中という声もご紹介します。
SNOWに夢中な理由は?
東京都にお住まいの石井里沙さん(17歳)は「学校行事などでみんなと写真を撮る時に使うから」SNOWを一番使うそうです。
神奈川県の坂本みずきさん(18歳)は「盛れる。人が遠くなる。スッピンでも大丈夫」というのがインストールした理由。「人が遠くなる」とは、彼女いわく“背景がボケる”という意味だそうです。背景にピントがあっていないことをこう表現するのですね。
「スノる」という流行語にもなったカメラアプリ「SNOW」(iOS版・Android版)。2016年5月ごろからブレイクしたSNOWは、実際に使ってみるとSNS機能が強く、とくにLINEとは相性抜群。「ARエフェクト」を加えることでも頭一つ抜け出したようです。
他には、「これじゃなきゃとれない」(ちゃんなるさん)「写真をとるときは全部SNOW。SNOWがきっかけで普段仲良くない子とでも写真をとれる」(西川友菜さん)と熱い声も。
Instagramに夢中な理由は?
神奈川県在住のちゃんりやさん(17歳)は「はやり。芸能人の情報を得るため」にInstagramをインストールしたそうです。やはりきっかけが芸能人というのは、アプリに接触するきっかけとして底堅い効果がありますね。
新潟県から来たというみさとさん(18歳)。「ひまつぶし。知らない人の写真を見る」うちに、必然的にInstagramを一番使っていることに。
インスタこと「Instagram」(iOS版・Android版)。ハッシュタグで会話すると言われるほど写真や映像の共有を目的としたアプリ。24時間でコンテンツが消えるInstagram Stories 機能が2016年に加わりましたが、彼女たちにInstagram Storiesは強く訴求していることも伺えました。
芸能人やモデルがこぞって始めたことが人気爆発のきっかけとなったことが伺える意見は、前出のちゃんりやさん以外にも「水原希子ちゃんみるため!」(中川もあさん)という声にも現れています。ほか、「服が好きだからコーデがみたくて」(川崎佑唯さん)という意見も。いろんな動機で使われていることがわかります。
WEARに夢中な理由は?
東京都のMEIさん(16歳)は「いろんな人のコーディネートを見て勉強している」うちにWEARを一番使っているそうです。
ブランドの公式アプリではなく、WEARを愛用する神奈川県のまなえさん(18歳)が同アプリをインストールした動機は「モデルさんや一般の人の私服が見られる!」から。
ファッションSNS「WEAR」(iOS版・Android版)。Instagramが写真中心なら、WEARはコーディネートをコア・バリューとしています。センスのあるコーディネートを学びつつそのコーディネートで用いられているアイテムが買えるという導線も魅力。ファッションブランドや古着店も積極的に情報発信をするようになっています。
「コーデがたくさん載っているので服の着方を迷っている時に調べる」(久野伊織さん)「流行をチェック。おでかけする時の参考に」(さらさん)と高い実用度が評価されました。
メルカリに夢中な理由は?
東京都にお住まいのちょむさん(15歳)は「友だちにやれっていわれて」メルカリをインストール。友達を紹介すると「紹介した側」と「招待された側」の両方に300ポイント(300円分)入る仕組みも、友だちを誘う動機となっているようですね。
フリマアプリ「メルカリ」(iOS版・Android版)は、なんでも売れるという懐の広さと、決済を簡略化しコンビニ払いや売上金による支払い、さらに友人を紹介したポイントで購入できるというシステムが人気です。
メルカリは最低料金が300円。ちょむさんが友だちに誘われて入手した300ポイントだけで実際に商品を購入することも可能なのです。“メルカリに出品した商品はすぐに落札される!”といわれるのも、友だち紹介⇒300ポイントゲット⇒ポイントを使って300円の商品落札という流れができているからでしょうね。
AbemaTVに夢中な理由は?
ホーム画面を見せてもらったQ1に続き登場の渡辺千春さん(17歳)は、「見たいドラマがあったから」AbemaTVを入れたとのこと。
ラッパーの田我流さんが登場するTVCMでも話題となっているストリーミング形式のネットテレビアプリ「AbemaTV」(iOS版・Android版)。アプリを起動すると有名人を起用した番組が多数放送されているというUX(ユーザー体験)を実現したコンテンツ制作能力が女子高生を夢中にさせているといえそうです。
取材した中でもEXILEやりゅうちぇるといった旬のタレントを起用した番組を見たいからダンロードしたという声が数多く聞かれました。
【気になる声】女子高生だってラブライブ!に夢中

新潟県のかなさん(18歳)が、楽曲に合わせて画面をタップするリズムゲーム「ラブライブ!(iOS版・Android版)」に夢中な理由は「ラブライブには小泉花陽(かよちん)がいるから」。
ラブライブのキャラ、小泉花陽(かよちん)は、「フワフワしてるところが好き」とのこと。ちなみにかなさんはリズムゲームの「デレステ(iOS版・Android版)」もたしなむそう。今はリズムゲームに夢中ということですね。
【気になる声】InstagramをきっかけにPicsArtをインストール!

神奈川から来たというひかりさん(17歳)は「かわいいスタンプや文字を書けるから」という理由で画像加工アプリ「PicsArt」(iOS版・Android版)にはまっているとのこと。
このアプリを知ったきっかけはInstagramでかわいい加工を見つけて質問したことだそうです。他にも2名の方がPicsArtを挙げていました。
今どき女子高生の夢中なアプリの傾向
2016年の5月頃からインストール数が伸びた「SNOW」。そのSNOWに加えて「Instagram」や「WEAR」など、写真や映像をコンテンツとするアプリが上位を占めました。
少し意外だったのはスケジュール管理やカレンダー系のアプリを挙げる人が1人しかいなかったことです。SNSや撮影した写真が補っている部分もありますが、スケジュールやカレンダー系ではまだ女子高生のハートをつかむ圧倒的なアプリがいないようです。
街頭インタビュー!まとめ
女子高生のiPhone人気は衰え知らず、調査した中でAndroidを利用している人は母数が少ないとはいえ約15%に留まりました。そのためか、アプリの置き方、使い方もiOSベースで情報が共有されているようです。今回のインタビューで驚いたのが
●壁紙がよく見えるようにアイコンを配置する
●用途別ではなくアイコンの色別にフォルダ分けする
というように使いやすさよりデザイン性を重視しているという点でした。女子高生にとって、アプリのアイコンなど見た目要素はかなり重要ですね。