【あやんせが行く!Vol.8】アプリ分析プラットフォーム”App Ape”のビッグデータから読み解く、ヒットアプリの共通点

株式会社Zucksにて広告営業ガールをしている“あやんせ”が、アプリディベロッパーを訪ねるコーナー「あやんせが行く!」。

第6回目となる今回は少し趣向を変えて、スマートフォンアプリ分析ツール「App Ape」を運営するフラー株式会社でマネージャーを務める岡田さんにお話を伺いました。

今回お話を伺った人

岡田雄伸 フラー株式会社チーフビジネスマネージャー
株式会社アドウェイズで5年間営業として従事。アプリからECまで様々な企業に携わり実績を残す。ユニットマネージャーを務めた後2015年より同社へ。Web広告関連の営業に長年携わる。

— 岡田さん、本日はよろしくお願いします!App Apeはいつも参考にさせてもらってます。

岡田雄伸さん(以下、岡田):どうもありがとうございます!今日のテーマは「2017年に好スタートを切ったカジュアルゲームアプリ」ですよね?

— そうですね!App Apeさんは、「アプリの所持ユーザー数」や「MAU(月間アクティブユーザー)」「DAU(1日あたりのアクティブユーザー)」アプリ所有者の「性別」や「年代」など様々なデータを提供していますよね。今回はそのデータからテーマを掘り下げてもらえればと考えています。

岡田:わかりました。App Apeって、先ほど挙げていただいたデータだけじゃなくて、「同時所有しているアプリ」や「収益」のデータも見れるんですよ。様々なデータが揃っているのでご期待に応えられると思います。

— そんなデータまで見られるんですね!どんなお話が聞けるのか期待しちゃいます。まずは2017年の話に入る前に、振り返りとしてMAUの指標から見た2016年流行アプリについてお聞きしていいですか?

岡田:MAUの指標から見ると、2016年に流行ったものは
ひとりぼっち惑星
さわって!ぐでたま 〜しょうゆましまし〜
ホウセキの樹
ママにゲーム隠された
ですね。

— 「ぐでたま」ってずいぶん前にリリースされたイメージですけど、未だMAUがそんなに高いのですね!(「さわって!ぐでたま 〜しょうゆましまし〜」は2016年6月にリリース)

あとは、育成系ゲームが多い印象です。2017年に移ると、良いスタートダッシュを切ったアプリってどのようなものがあるんですか?

2017年に好スタートを切ったカジュアルゲームは「ドッキリ回避」や「青鬼2」

岡田:今年に入ってからは以下のようなアプリが好スタートを切っています。
※このインタビューは2017年3月1日に行いました

ドッキリ神回避 –脱出ゲーム
 ・ゆるい絵柄のミニゲームアプリ

恵方コンパス
 ・恵方巻きの方角を知れるアプリで、2月3日だけDAUが70倍に

◎ねこあつめ、ぐでたまシリーズ(2つ)、なめこ栽培キットシリーズ(2つ)
 ・大手ソーシャルゲームを遥かに凌ぐMAU

青鬼2
 ・リリースしてから一週間後に、DAUベースでゲームカテゴリ全体で46位
 ・ポケモンGO、パズドラレーダーに次いで、アドベンチャーカテゴリで3位

— どれも目立ったタイトルですが、印象通りヒットしていますね。季節限定アプリの「恵方コンパス」も節分当日にDAUが70倍ってすごい!そういえば、DAUが高いアプリってどのような共通点があるんでしょうか?

そもそもDAUが高いゲームってどんなアプリ?

岡田:DAUが高いのはやはりパズルゲームや育成ゲームですね。これ見てください(パソコンの画面を見せながら)、ずっと数字が安定していますよね。

— 本当ですね。他に共通していることはあるんでしょうか?「キャラクターにオリジナリティがある」とか「操作感が気持ちいい」とか……。

岡田:その点で言うと、「独特な世界観を持っているもの」「DAUの初動がかなり良いもの」が多いですね。

具体例を挙げると、「ホウセキの樹」や「ひとりぼっち惑星」、アプリディベロッパーHAP(ハップ)さんの開発した「ママにゲーム隠された」「うしろ!うしろ!」も例に挙がると思います。どれも誘導がうまいんですよね。

誘導といえば、ユーチューバーの動画がヒットの起点になっているアプリも多いんですよ。

DAUの高いアプリは”YouTuber”ウケがいい??

岡田:YouTuberさんがゲームのプレイ動画をアップしているじゃないですか。あれのアプリ版があるんです。たとえば、株式会社PrincessHimeSuiteさんが公開している動画で、HAPさんの「ママにゲーム隠された」が紹介されてますね。この動画は、300万回以上再生されています。

— 300万再生!他にも「ママにゲーム隠された」を紹介しているYouTuberさんがいるので、アプリのDAUにも影響を与えそうですね。

岡田:HAPさんのアプリもそうですけど、独特の世界観を持っているとYouTuberさんも取り上げやすいのかもしれないですね、画面が綺麗だと実況映えしますし。ほかに、激ムズ系のカジュアルゲームアプリも動画が公開されていますね。

そういえば、HAPさんのアプリは背景をライトブルーにしているので、同じメーカーのものだって思えますよね。これも誘導の戦略なのかも

— シリーズだとわかると、ユーザーさんも「次のゲームもやってみようかな」と考えてくれそうですよね。そういえば、先ほど同時所有のアプリも見れるとお聞きしていたんですが……。

岡田:見れますよ。試しに「ママにゲーム隠された」のデータを見てみましょうか。(パソコンの画面を見せる)

— 「ママにゲーム隠された」の同時所有アプリは……。同じHAPさんの「うしろ!うしろ!」や「こんなフリーキックはイヤだ」が出ていますね。あ、「もやししゃちょー」もある!

岡田:やはり、世界観やカテゴリーが似ているアプリを所有しているんですね。次は「ホウセキの樹」や「ひとりぼっち惑星」も見てみましょう。

— 「ホウセキの樹」は「放置シティ〜のんびり街づくりゲーム〜」や「ひとほろぼし」を同時所有していますね。「ひとりぼっち惑星」だと同じシリーズの「ひとほろぼし」が多いです。「ひとりぼっち惑星」と「ひとほろぼし」のようにストーリーや世界観につながりがあると、自社アプリにユーザーを誘導しやすいのかも。

岡田:「シリーズ化」はDAUの高いアプリの共通点かもしれないですね。

— こうやってアプリのデータを見ていくと楽しいですね!

岡田:そうなんです。何時間も見れちゃいますよね。

— もっと見ていたいんですが、時間も限られているので(笑)最後にDAUが高いわけではないけど、一定のDAUを維持しているカジュアルゲームについて教えていただけますか?

岡田:承知しました。一定のDAUだと……、「奇跡のスプーン【落ちてくる球を受け止めよ】」「アクション作ろう。ピコピコメーカーEX」「大反響!消しゴム落とし【弾いて!ぶつけて!突き落とせ!】」や、定番の「リバーシ」「将棋」も人気があります。

— 「ピコピコメーカー」や「消しゴム落とし」「リバーシ」「将棋」はルールも簡単で遊びやすいですし、オンラインで別ユーザーと遊べるので、暇な時間に遊ぶ人が多いのかも。

岡田:一気にDAUを上げるか、一定のDAUを維持していくか。両方できればいいですけれど、一定のDAUを維持しているアプリにも学びたいですね。

— 今日は詳細にデータを見ることができて楽しかったです!広告の営業をしていると、「最近カジュアルゲーム業界に元気がない……」と聞くことも多かったのですが、そんなことは全然ないですね。

「独特の世界観を持っていること」「リリース後の初動が早いこと」「YouTuberに取り上げられやすいアプリ設計」「自社タイトルへの誘導」など色々な共通点が浮かびました。

岡田:僕も普段はここまで詳細にデータを見ることがないので楽しかったです。今日はありがとうございました。

— こちらこそありがとうございました!App Apeは4月からiOSにも対応する予定だとお聞きしています。これからも頼りにさせてもらいますね!

あやんせ
渋谷で働くIT女子。メディアコンサルタントとしてディベロッパーさんのお力になれるよう日々奔走中。桜の季節も海が好き。
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