アプリの海外展開は今がチャンス!海外アプリ広告担当者が見た、海外市場のヒット傾向とマネタイズ手法【前編】

アプリディベロッパーの皆さんは、昨年のアプリ業界ニュースについて、どのようなことを思い出されますか?

おそらくポケモンGOが印象的だった人も多いはず。2016年に社会現象を起こしたこのアプリはリリース1ヶ月で1億3000万ダウンロードを記録し、70カ国のモバイルダウンロードチャートでトップを記録しました。

ポケモンGOの全世界的なヒットは、国内のアプリディベロッパーの方に海外の大きな市場を印象付けたのではないでしょうか。

海外展開アプリの成功事例はこれまでソーシャルゲームなどに限られてきましたが、カジュアルゲーム業界にも国外進出のムーブメントが起こり、国外市場でヒットを飛ばすアプリが増えています。

国内のアプリマーケティング業界はいま、海外進出への過渡期と言えます。今回はザクマガ!を運営する株式会社Zucksで、海外企業全般(広告主、広告会社、媒体)を担当する村上がアプリ業界の海外事情について解説します!

<目次>
・プロモーション/マネタイズの手法が広がる今、海外展開は簡単に
・三者三様、アメリカ・韓国・台湾のヒット事例
・まとめ 海外市場に共通するマネタイズ手法とは?

プロモーション/マネタイズの手法が広がる今、海外展開は簡単に

ご紹介がおくれましたが、私、村上は2013年に株式会社VOYAGE GROUPに新卒として入社し、株式会社Zucksで代理店向けの営業・アプリ・WEBメディア様向けのリクルーティングを行っていました。

その後、かねてから希望していた海外の広告会社を担当する中で、海外市場への知見を深め、プロモーション・マネタイズ両側面からアプリマーケティングのアドバイスを担当しております。

さて、先ほど「アプリマーケティング業界はいま、海外進出への過渡期」と申しました。日本国内においてはソーシャルゲーム・カジュアルゲームともに市場が飽和し、以前に比べるとヒット作を出すのは難しくなりました。国内が競争の激しい市場になった今は、海外進出のチャンスと言えます。

海外市場の背景を見ても、以前に比べて進出は容易になっています。以前は国外進出を考えた時に、プロモーション/マネタイズの方法はGoogleやTapjoyなどの広告プラットフォームなどの選択肢しか日本にはなかったように思えます。

現在はここにFacebook、動画リワード(アプリの画面変更の際に流れる動画広告)が加わり動画リワード事業者はバナー広告も出せるので、アプリのプロモーション/マネタイズは日本に居ながらして全世界対応も可能になりました。

市場の背景が整ってきた今、以下2点を考えると、海外展開は非常にメリットが大きいと考えます。

ひとつめは、販路を拡大させるだけでリターン(売上)が望めること
ふたつめは、国内に比べるとユーザーの寿命が長いこと

※ソーシャルゲームや非ゲームアプリでは、現地の言語、文化・宗教などのローカライズ、カルチャライズは非常にコストを要しますのでデメリットとも言えます。今回は“カジュアルゲーム”に焦点を絞ってお話させて頂きます。

まずは販路について。先ほど「販路を拡大させるだけ」と申し上げましたが、まずは多言語対応する、もしくはノンバーバルなアプリを作ることがファーストステップです。英語、中国語、スペイン語に対応すればチャンスはぐっと広がります。さらに「全世界に公開」することもお忘れなく。

また、国内ではカジュアルゲームの寿命は1ヶ月ほどと言われていますが、海外では1年以上ランキングの上位に残るカジュアルゲームが数多くあります。海外は日本より長いスパンでゲームが楽しまれているので、魅力的な市場だと言えます。

三者三様、アメリカ・韓国・台湾のヒット事例

ここからは、アメリカ・韓国・台湾の3カ国について、ヒットしているゲームアプリの傾向やヒットアプリの事例をご紹介します。

ヒットゲームに関しては海外市場では国をまたぐのが一般的なため、国単位ではなく、言語単位で考えた方が良いでしょう。その観点から、なるべくローカルなアプリかつアドマネタイズ寄りで、2016〜2017年の傾向をお届けします。

※ グローバルで流行したアプリに関しては、以前書いた記事「【新・世界五大】インディーゲーム・アプリディベロッパー調査委員会(2016年版)」をご覧ください!

◆アメリカ
日本市場と比較してアメリカ市場を端的に解説すると、以下のような特徴があります。

・全世界のディベロッパーが集まる市場
・インディーゲームが数多くランキングに入る
・3〜4年前にリリースされたゲームなどが今もランクインしている
・シンプル、直感的、非言語(ノンバーバル)なデザインと設計が流行っている
・インディーゲームの広告出稿(非リワード広告)が多い
・ヒットするゲームは「音にこだわりを感じる」もしくは「まったくの無音」
・ヒットアプリの9割は動画リワードを導入している

アメリカは文化、宗教、価値観が入り混じった国で、市場規模も大きいので、このような特徴になったのだろうと思います。

◎ヒット事例
・韓国BitMango社のアプリ
Block! Hexa Puzzle
Roll the Ball
Word Cookies!

ここで挙げた4つのアプリは上記に挙げた傾向を多くカバーしており、アメリカだけでなく、どれも多くの国でランクインしています。特にアメリカでは絶好調。おおよそ$1程度で広告出稿も行っています。

◆韓国
次はお隣の国、韓国です。日本市場との違いと傾向は……。

・大きな違いは言語!進出を狙う場合は、韓国語ローカライズはマストです
・少数ですが、日本のインディーゲームもランクイン傾向にあります
・CPI広告でのマネタイズが多い傾向です
・ポケモンGOのリリースが遅れたため、少し遅れて流行が来ています

韓国政府が国内地図情報の提供を拒否したという噂があり、リリースが遅れたわけですが、満を持して2017年1月末にリリースされました!そのため、韓国は少し遅れて空前のポケモンGOブームです。

この波に乗り、海外勢のポケモンGO攻略系アプリはしっかりとダウンロード数を稼いでいます。一方で言語の壁が高く、日本の攻略掲示板アプリなどはほぼ普及していないようです……。

このような流行に乗れるように情報のキャッチアップは非常に重要です。隣国なので日本のディベロッパーさんもどんどん進出して頂きたいところです!

◆台湾
こちらも日本と距離が近い台湾の市場は……。

・複数言語(英語、中国語)に対応するマーケット
・英語のみのアプリでもヒットする
・全世界で流行ったアプリが、少し遅れて台湾で流行する傾向が!
・Androidの使用率が高いので、Google playが優勢

台湾では日常会話レベルの英語が話せる方が多く、日本や韓国とは異なり、英語のみにローカライズされたアプリがヒットしています。また、htcやAsusなどのモバイルメーカーが台湾にあるからか、Androidの使用率が高く、対応が必須。世界で流行ったアプリが遅れて流行することなどを見ても、海外では少し変わった市場になっています。

◎ヒット事例
Snake off
こちらは英語版のみのアプリですが、1ヶ月以上台湾のトップ5を維持し続けました。

Rodeo Stampede
様々な言語に対応しているアプリで、日本でも少しだけ流行りました。台湾ではリリースから約1年遅れで流行ってます!

Tap Tap Fish
Tap Tap Fish はBest of 2016Appstoreにも選ばれているCheetahmobile社のアプリで、開発は「タップクエスト」で世界的に有名になったIdle Factory社。VR対応、動画リワードの出し方、Instagramへのシェアなどかなり勉強になるので、ディベロッパーの方は要チェックです!

まとめ 海外市場に共通するマネタイズ手法とは?

ここまで海外アプリ市場の傾向とヒット事例をご紹介しましたが、マネタイズに関して補足をしたいと思います。

まずは、海外だと「さっさとクリアしたい」というユーザーが多いので、課金機能はあった方が良いです。また、広告を嫌うユーザーも多いので「課金で広告除去」の機能を入れてもいいですね。単価はARPU(ユーザー1人あたりの平均売上金額)に合わせて設定してみましょう!

その他、海外でヒットするアプリの傾向は下記のようなものです。

・ノンバーバルに楽しめる設計、もしくは徹底した言語ローカライズをする
・プレイしていて気持ち良い、クセになる効果音やBGMをつける
・オフラインでも遊べるようにする(ダウンロードを飛躍的に伸ばすならば、対応しておいて損はないです!)
・アプリの容量は小さい方がベター(海外では通信環境が悪いところもあるため)

ここからは一部地域のみ
・人のキャラクターが登場しない方が良い
・動物が登場しない方が良い

※これは宗教上の理由で、肌をさらした女性や特定の動物が嫌がられることがあるため。時には棒人間の方が好まれるケースもあります。

まとめると、海外展開がしやすいアプリは特定の文化や価値観、言語に依存しない、シンプルで分かりやすいアプリが向いていると言えます。後編では、アメリカ・韓国・台湾のマネタイズ手法や、広告担当者として昨年参考になったアプリをジャンル別にご紹介したいと思います。

村上
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