【Unite 2017 Tokyoレポート Vol.1】講演「中国でAndroidアプリを出す!Xiaomiストアでのアプリリリース、収益化のためにできること」


国内カジュアルゲームでの戦いが熾烈になってきている中で、新たなユーザーの開拓先として海外に注目しているディベロッパーさまの増えてきているのではないでしょうか。

海外で収益化を狙うためには、言語のローカライズや、文化や法律の違いなど、国ごとに異なる参入障壁に対応しなければいけません。

この記事では海外進出のヒントとして、国内最大のUnityカンファレンスイベント「Unite 2017 Tokyo」で行われた、中国市場への進出をテーマにした講演の様子をレポートします。

収益1700億円を超えて、アメリカを抜いた中国アプリ市場

2017年5月8〜9日にかけて行われた「Unite 2017 Tokyo」は、世界有数のゲーム開発プラットフォーム「Unity」が開催したイベントです。

東京国際フォーラムで行われた同イベントでは、アプリ開発を軸にした66の講演や、ソフトウェア各社のブースが設けられ、多くの来場者で賑わいました。

レポートする講演は、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 Unity Ads ディレクターの金田一 確氏が登壇したもの。

この中でUnityは、中国で2億人のユーザーを持つAndroid端末トップメーカー「Xiaomi(シャオミー)」と提携し、2017年7月を目処に中国国内へのアプリ公開サポートを行うことを発表しました。

ディベロッパーの皆様にはいわずもがな、中国は急成長を見せている巨大なアプリ市場。2016年にはApp Storeの収益が約1760億円を突破し、アメリカや日本を引き離しています。
App Annie 2016年第3四半期アプリ市場動向レポートより

中国には200以上のアプリストアがありますが、Xiaomiが運営する「MIUI」は中国でもトップ5に入るストアのひとつ。今回の提携により、Unityで開発されたアプリならば「MIUI」に公開手続きを行えるほか、ライセンス関連などの様々な公開サポートを受けることができるそうです。

敬遠されてきた巨大市場、その理由は数多くの「参入障壁」だった

これだけの大きな市場にもかかわらず、中国市場はアメリカや台湾などに比べて進出しづらい国として敬遠されてきました。

その理由となったのは言語の壁だけでなく、以下に挙げるようないくつもの障壁があったからです。

・ビルドの共通規格がない200以上もの「独自ストア」
・政府による許諾が必要で、公開に必須の「ライセンス問題」
・営業認可は中国企業のみが取得できるため、必須となる「パブリッシャー探し」
・ストアごとにシステムが異なるために発生する「決済システム対応」や「共通して使える広告がない」などの問題
・平均して20%前後の低い数字になる「利益率」
・そして「海賊版問題」

これだけの障壁をクリアしなければ中国でアプリのマネタイズができなかったことを考えると、進出しづらい国だと言われるのも納得できます。

事実、Xiaomiのアプリストア「MIUI」では、2016年に公開された国外アプリはわずか50件以下しかなかったそうです。

「Xiaomi」×「Unity」の提携で、中国進出のハードルは低くなる

XiaomiとUnityは、これらの障壁を下げることを計画しています。

「開発」面では専用エディターによってビルドを容易にし、「課金システム」はUnity IAPがストアに対応。「広告」はUnity Adsを利用可能です。

ライセンスが必要な「開発者登録」や「アプリ申請」、パブリッシャーとの「契約」、「収益の受け取り申請」も、英語版のディベロッパーポータルで可能。

収益モデルは、海外ディベロッパーの収益相場である「20%前後」を上回る「50%」のモデルを目指し、海賊版も削除体制を整えていくそうです。

アプリ公開までの5ステップ

次に公開までの具体的な流れを見ていきましょう。
※このステップは講演で発表されたものです。

Step1:「開発環境はUnity5.3以上であること」「簡体字へのローカライズをすること」「Unity IAPを実装すること」の条件を満たす

Step2:Unity IAPとUnity Adsを実装する

Step3:Unity EditorでXiaomiをターゲットにしてビルドする

Step4:Xiaomi-Unityディベロッパーポータルでアプリの申請を行い、「契約手続き」「開発者情報の入力」「アプリ情報の入力」「apkファイルをアップロード」の手順をクリアする

Step5:その後、「Xiaomiの審査」や、「公開ライセンスの代行申請」、「SAPPRFTの審査」などを経て公開

公開後は、ディベロッパーポータルを通して実績を確認し、収益の受け取り申請を行います。

このステップはいずれも日本にいながら行うことができ、Unity Adsの実装によって課金や広告も挿入できるそうです。

タイトル数もディベロッパー数も次第に飽和しつつある国内カジュアルゲーム業界に対し、2016年Xiaomiに公開された海外タイトルはわずか50以下。

高過ぎた中国市場への参入障壁がこの数字を作ってきたと言えますが、7月のサポート開始を境に障壁はグッと低くなりそうです。

中国国外のディベロッパーにとって、今まで開拓できなかったブルーオーシャン「中国市場」に進出するチャンスが、ついにやってくるのです。

スライド提供:ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社