
Unite Tokyo 2017に続き、今年もUnite Tokyoへ参加させて頂きました!
昨年の記事はこちら
2017年は中国でアプリを出し収益化するまでの公演を聞き、レポートさせて頂きました。昨年に比べると、この1年間で多くの国産アプリが海外に進出を始め、各国のストアで1位を取るなど、目覚ましい発展を遂げたように感じます。
直近ではヒットポイントさんの旅かえるが中国で大流行。以前の記事でも取材させて頂きました!
マジカントさんのカジュアルゲームが、アメリカのAppStoreランキングで1位獲得。
などがありました。
そして今年のUnite Tokyoではそんな旅かえるに注目した、「中国でのアプリヒットの裏側」に迫った公演をレポートさせて頂きます!
全世界3,800万DLの「旅かえる」。中国でのヒットの裏側は!?
この記事では、海外進出と海外でのヒットのヒントとして、「Unite 2018 Tokyo」で行われた公演の様子をレポートします!
2017年5月7、8、9日の3日間にわたって行われた「Unite 2018 Tokyo」。東京国際フォーラムで行われ、多くの来場者で賑わいました。

「旅かえる-中国でのヒットと共に何が起きていたのか&課金・広告共存の収益化」というタイトルで行われた本公演は、Unity Adsの金田一氏(写真左)と、ねこあつめの開発会社である株式会社ヒットポイントの高崎氏(写真右)の2名での公演でした。
旅かえるの概要については、ザクマガの以前の記事をご参考ください!
以前の記事では「3,200万DL」と表記しましたが、なんと現在は「3,800万DL」に!
その内訳が発表されました。

- 中国:78.1%
- 台湾:10.5%
- 日本:3.4%
およそ3,000万DLが中国からのインストールということが判明!
ものすごい数ですね!
ヒットポイント社の前作「ねこあつめ」は3年かけて2000万DL。
旅かえるのヒットは全く予期していなかったが、1日で380万DLを突破するほど中国で大流行を獲得!
しかしその裏側では壮絶な苦労もあったとか・・・
大量の問い合わせや取材申し込み、メールサーバーがパンクするほどだったそう。
正直、業務へ支障が出たほど。中国から日本のオフィスに突撃してきた方もいたそうです(笑)
結果、プログラマーさんが寝込むほど。
さらに・・・
・海賊版の横行(iOSのみのリリースだったので、勝手に海賊版がAndroidで出回る)
・勝手なコラボ
・勝手なグッズ販売(ぬいぐるみ、スマホケース、などなど)
ユーザーに関わる問題、権利に関わる問題、収益に関わる問題と優先順位をつけ、それぞれ対応されていったそうです。
不具合の修正はもちろん、FAQの作成なども行い、ユーザーからの問い合わせを減らすようにしていったとのこと。
また、海賊版対策については、1社1社訴えていくのはとても割に合わない・・。そこで中国でのパブリッシャーも探していったそうです。
ヒットポイント社の高崎氏いわく
- アプリ名だけでもローカライズする
- メールや電話などの問い合わせが来ない仕様にする(FAQを事前に作るなど)
- 中国でのパブリッシャー探し
- 権利周りの調整
は、事前にやっておけばよかった・・とのこと。
名前に関しては、中国では”かえる”の平仮名部分が変換できなかった為、ユーザーは「旅行青蛙」をSNSなどでは使用していたそう。しかし「旅行青蛙」でストアで検索してしまうと全く別の偽アプリが出てきてしまっていたとのこと。
「旅かえる」Unity Ads内で月間収益額世界1位獲得!!!Unity Adsが行うサポートとは?

驚きは続きますが、最流行時の中国国内でのeCPMは4,000円!!!
この数字に支えられ、UnityAds内の月間収益額世界1位を旅かえるは獲得したそうです!
そんなUnity。開発者の皆さんがゲーム作りに最大限時間を投下できるよう、周辺の”やらなければいけないこと”をサポートする支援をされているそうです。
(これはZucksとしてもマネさせて頂きたい!)

- DLを増やすため → Unity Ads
- ゲームそのものの面白さを追求してもらう(開発者さん)
- 継続してもらうため → Unity Analytics
- シェアしてもらうための取り組み
- 収益を上げるための取り組み → Unity Ads
以前ザクマガでもお伝えさせて頂いておりますが、中国を問わず、海外市場で成功をするアプリは、広告出稿を行い、さらに自社ゲームの”継続率分析”を繰り返し行っています。
Voodoo,SpaceApeGameに見る、海外での成功率を上げる分析とは!?

「Snake VS Block」などのタイトルで、日本でもアプリストア上位を獲得するフランスのVoodoo社。1タイトルの月間のDL数は2,000万を超えるそうです!
現在は自社でアプリ開発を行わずに、パブリッシング中心にアプリ数を増やしているとのこと。そこでVoodooが注視するのは「アプリの継続率」Voodooとしては、継続率の高いタイトルしかパブリッシングしていないそうです。
継続率に関するチェックポイントは以下。
- 理想はチュートリアル不要。極力簡易に。
・ゲームプレイそのものの簡素化
・(言語対応をなくすためにも) - プレイの時間が長すぎないか
・スキマ時間にもプレイしてもらえるか
・習慣化させれるか - ゲームプレイそのものの以外に継続要素があるか
・なんらかのアイテム収集や、ミッションクリア数など - 呼び戻し要素があるか
・翌日プレゼント
・ログインボーナス - 動画リワードの報酬・実装

また、Supercellの子会社のアメリカ Space Ape Game社のレースゲーム「FASTLANE」はUnity Ads、Unity Analyticsをフル活用。
・広告出稿における様々なテスト
・広告収益に関する様々なテスト
・広告が継続率に与える影響のテスト
など様々な仮説検証を行い売上を大きく伸ばしたそうです。
具体的には
- 動画インタースティシャルを表示するのは、無課金かつ動画リワード広告も見ないユーザーのみ
- ほとんどのレース終了後、動画リワード広告の視聴選択機会を表示。
- ただし1日の上限回数を設け、視聴機会のありがたさを維持
- 付与アイテムのバリエーションを複数用意(通貨、経験値、ライフ回復など)
などなどを行った結果が以下の売り上げグラフに。

なお、Unity Analyticsは基本的にはノンコーディング、設定をONにするだけで使用可能だそうです。
更に詳細が知りたい方はぜひUnityさんに問い合わせをしてみてください!
Unity Adsについて https://unityads.jp/
Unity Analyticsについて https://unity.com/ja/solutions/analytics
ヒットポイント社や、海外の成功事例を参考にして、更に日本国内のディベロッパーさんの海外進出は加速しそうですね。
当日のスライドはこちらから閲覧可能です!!!