【あやんせが行くVol.7】2016年はVR元年!VRアプリを今すぐ開発すべき理由とは?

img_7256株式会社Zucksにて広告営業ガールをしている“あやんせ”が、アプリディベロッパーを訪ねるコーナー「あやんせが行く!」。

7回目となる今回は、「VOYAGE GROUP」 の清貴幸さんに、専門分野であるVR(Virtual Reality 仮想現実)についてお話を伺いました。2016年12月8日公開の記事「【あやんせが行くVol.6】ディベロッパー必見!VRから人工知能まで2016年スマホ関連テックニュース10選」に続くインタビューです。

最新テクノロジーで縁遠いものと思っていたVRのコンテンツが、実は開発しやすいという事実。最新技術のVRに関して、詳しく伺ってきました。

今回お話を伺った人

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清 貴幸(せい たかゆき)神奈川県川崎市出身。2013年に、新卒エンジニアとして株式会社VOYAGE GROUPへ入社。AndroidとiOS向けスマートフォンアプリケーション開発に携わる。VRの世界に可能性を感じ、VR領域の事業を進める「VR研究室」をVOYAGE GROUPにて立ち上げた。Twitterアカウントは、@DayBySay

VRコンテンツを体験するためのHMD(Head Mounted Display)は大きくハイエンドとモバイルに分類できる

清:VRはいろんな用途が考えられますが、特にエンターテイメント領域でVRコンテンツを利用するためのHMDは、大きく次の2つに分類できます。

HMDの大きな区分

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清:まず「ハイエンド」は、パソコンやPlayStation 4などのゲーム機にHMDをつなげて使用するものです。

一方、「モバイル」は、スマートフォンとHMDをつなげて使います。このモバイルHMDには「ハイエンドモバイル」というくくりがあるので、ハイエンドHMDとまぎらわしいですね(笑)。

— ふむふむ。今回は、スマートフォンアプリディベロッパーの皆さんが気になる「モバイル」にフォーカスしてお話をお伺いさせてください!

ハイエンドモバイルは、Daydream ViewとGear VRに注目!

清:まずは、ハイエンドモバイルについてですね。先ほどお話したように、スマートフォンとHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をつなげてハイエンドモバイルは楽しみます。

ハイエンドモバイルの、VRコンテンツ販売プラットフォームは、Googleが提供している「Daydream」とOculusが用意している「Oculus Store」が存在します。

ハイエンドモバイルの2つの陣営

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— なるほど。Daydreamで入手したVRコンテンツは「Google Pixel + Daydream View」で、Oculus Storeで入手したVRコンテンツは「GALAXY S6 など + Gear VR」で楽しむということですね。

清:そうです!コンテンツをDaydreamからGoogle Pixelにダウンロードし、Daydream Viewでコンテンツを体験する。といった感じですね。これらはまだ日本では売っていないので、この間アメリカで買ってきました(笑)
Daydream Viewにスマートフォンを取り付けて使う様子が、次のムービーで紹介されています。

ちなみに、「【あやんせが行くVol.6】ディベロッパー必見!VRから人工知能まで2016年スマホ関連テックニュース10選」でお話したように価格は、Google Pixelが650ドル(約73,000円)、Daydream Viewが79ドル(約8,900円)くらいです。

— アプリつくったら体験させて下さい!!DaydreamでVRを楽しむ利点は何ですか?

清:Daydreamのすごく良いところは、これから様々な企業がDaydreamに対応したスマートフォンやHMDを作ってくることが予想される点です。

例えば、スマートフォンはGoogle Pixelを使って、HMDは他社のものを使ったりできます。逆に、スマートフォンはGoogle Pixel以外を使って、HMDはGoogleのDaydream Viewを使うこともできるわけです。

— なるほど、Daydreamはこれからプラットフォームとして大きくなっていきそうですね。Gear VRの方はどうなんでしょう?

清:Gear VRでは、Daydreamのように対応するスマートフォンやHMDがいろんなメーカーから登場する可能性は低いかもしれません。OculusとSamsungががっつり組んでいるので、スマートフォンはGALAXY系に限られてしまい、HMDもGear VRしか使えないといったように、現状だと他社の参入が難しいんですね。

— おぉ。そうなると、あまり売れていなかったりするのですか?

清:いえ、そんなことはなく Gear VRは2016年5月時点で100万DAUを突破したと報告されています。OculusとSamsungはハイエンドモバイルを作ったいわば先駆者同士です。

アプリディベロッパーさんはチャンス!ローエンドモバイルVRのGoogle Cardboard

— ローエンドモバイルVRは、どういったものになるんですか?

清:わかりやすい例として、Googleの「Google Cardboard」があります。先程お話したハイエンドモバイルと比べて性能は劣りますが、VRが体験できるHMDを最も安価で購入できます。

— 安いって、どのくらいお手頃なのですか?

清:1,000円くらいから買えます!

— 1日ランチ我慢すれば買えますね。(笑)ダンボール製でお手軽そうです!
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清:スマートフォンアプリの開発者さんは、特にGoogle Cardboardに注目すべきだと思います。既にGoogleが「Google VR SDK」というものを提供しているからです。

— 「Google VR SDK」を使うと何ができるのですか?

清:これを利用することで、Google Cardboardに対応したAndroidやiOS向けのスマートフォンアプリを作ることができます。iOS、Android、Unity、Unreal Engine4に対応しているので、これらの開発が出来る人は、ローエンドモバイルのVRアプリを開発できるということですね。

— えー!素晴らしい。Google VR SDKを使ってその中でUnityなどのゲームエンジンを使うことで、簡単にVRアプリを作ることができるということですね!

清:そうです。そして通常のアプリと同じようにGoogle PlayやApp Storeでリリースできます。しかし、ユーザーがHMDを持っていないと使えないコンテンツが多いです。

— HMDは1,000円くらいから買うことができるし、これから持っている人は増えてきそうですね!

清:ですね。最近流行っているのが、Google Cardboardを使った動画のストリーミングです。360°の動画や360°のLIVE中継がGoogle Cardboardで体験できます。少しずつ VRゲームも増えてきています。

— Google VR SDKを使えば、カジュアルなゲームも手軽に作ることができますね!

清:はい、 Google VR SDKで本当に簡単にGoogle Cardboardに対応できるので、スマートフォンのディベロッパーの皆さんはぜひVRゲームを作ってみてほしいです。VRゲーム界を盛り上げるために(笑)。

— 他にもGoogle VR SDKできることって何かありますか?

清:Google VR SDKを使うと、ハイエンドモバイルのDaydream向けのアプリも作れます。つまり、Daydream対応も簡単にできるということです

2016年12月時点では、Daydreamのプラットフォームがまだオープンになっていませんが、今後オープンになっていきます。先行者利益を考えると今からGoogle VR SDKで、Daydream向けの開発をやっておくといいでしょうね。

— なるほど。今からDaydreamのオープンに向けて仕込んでおいた方が良さそうですね。基本的には今までと同じ開発環境でVR向けのゲームは簡単に作れる、というのが衝撃でした。最近VRファンドも増えてきているので、出資のチャンスとかもありそうですね。(笑)まとめるとこんな感じ。

●Google VR SDKを用いて、AndroidやiOS向けのアプリをすぐに作ることができる
●Google VR SDKを利用すれば、Daydream対応も簡単にできる

VRとARでどこでもドアが実現する!

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— 「【あやんせが行くVol.6】ディベロッパー必見!VRから人工知能まで2016年スマホ関連テックニュース10選」で伺った、Microsoftが出しているAR用のHMD、HoloLensもこれから普及してきそうですね。

清:Microsoft HoloLensは、目の前に広がる現実世界に一枚レイヤーを作って、そのレイヤーに物を置いたりできるAR(拡張現実)を楽しめるアイテムです。HoloLensも、Unityとかを使ってコンテンツを開発ができるのディベロッパーとしては嬉しい点です。ちなみにUnityやUnreal Engine4でOculus Rift やHTC ViveなどのハイエンドVRの開発もできます。

— VRやARのような素晴らしいテクノロジーが次々と登場したいま、今後どういった活用がされていくのでしょうか。

清:一番面白くなりそうなところは、「移動の革命」が起きるということですね。もちろん今までも、テレビを見て「どこにでも行ける気分」にはなれました。ですが、自分が見たいものをみるという「自己の視点」でどこにでも行ける体験は今までありませんでしたよね。

— たしかに。本当にその場に行ったような体験ができる、どこでもドアの実現ですね!

清:まさにですね。例えば、危険な地雷の除去だったりとか、センシティブな医療手術を自分の視点で再現できるわけです。今まで絶対トレーニングできなかったことができるようになります。

— まさに革命ですね!最後にアプリディベロッパーさんに向けてメッセージをお願いします。

清:VRコンテンツを作ることが難しいのは間違いないと思いますが、作るためのハードルは低いのでどんどんトライしていって欲しいです。VRは粗悪なコンテンツだと酔ってしまうこともあるので、プラットフォームの審査はかなり厳しく、そのあたりを踏まえて開発していくことが重要かと思います
VRを使ってよりおもしろい体験と、より便利なものを作れることは間違いないので、盛り上げて行きたいなと思っているのがVR室です。(VOYAGE GROUP VR室ブログ

— どこでもドアが実現する、というのはワクワクしますね!世界を変えるVRやARの技術を使ってアプリディベロッパーの皆さんにもいろんなチャンスが生まれそうですね。いろんなコンテンツが増えていくのがとても楽しみになってきました。本日はありがとうございました!

あやんせ
渋谷で働くIT女子。メディアコンサルタントとしてディベロッパーさんのお力になれるよう日々奔走中。年末年始も海が好き。

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